本当の旅とは何か?
昔からずっと思ってきたこと
それは、「観光」という言葉が非常に苦手だということ。
もちろん、Googleの検索エンジンやら広告の文言やらで「観光」という
言葉を使わなければいけないことは沢山ある。
だけれども、どうしてもこの言葉に馴染めなかった自分がいる。
それはどうやら、自分が育った時代や社会が作り上げた「観光」という
言葉にアレルギーがあったということに最近気がついたのである。
私は1986年 昭和61年産まれである。
では 1980年代から90年代そして、2000年代に
かけての「観光」とは如何なるものだったのだろうか?
一言で言うなれば「マンツーリズム(Mantourism)」という言葉を当てたい。
80年代までに栄えた大量消費型観光つまり「マスツーリズム(Masstourism)」は
バブルの崩壊により一旦下火になるが、マスツーリズムで膨らんだ人々の
「観光欲」は止まることを知らなかった。一旦収まったかに見えた「観光欲」は地方自治体や
海外の辺境にまで及んだ。80年代までにみられた「団体(Mass)」を呼び込むような
リゾート開発が90年代 2000年代になると大量の「個人(man)」を呼び込む為の
リゾート開発に変わっただけだった。「マス」であろうと「マン」であろうと
人主軸であることには変わりはなかった。いや、「個人」になった分だけ
より「観光」が多様化、複雑化し、それに対応するために「観光」される側も
開発を繰り返した。いかに「個人」に気に入られるかを気にして走り始めた。
さらには、SNSの発達もあいまり、「個人」つまり「旅をする側」の主張と権利が
拡大の一途を辿った。今や大量の「個人」が全ての判断基準になった。
2000年台に入り「見栄え」「可愛さ」「綺麗さ」などなど中身のない判断
基準が牙を剥き始めたのである。
そこには、「観光」される側の自然がどう思うか?は無視され続けた。
森や木、鳥や魚、空や海、山や川、それらに主張と権利は認められなかったのだ。
そういった意味で、私が知っている「観光」は非常に暴力的で破壊的な身勝手な
「ジャイアン的観光」であった。だからこそ、「観光」と言う言葉が苦手だった。
しかし、本来の観光の意味は、異なっている。もともと、観光と言う言葉は、
中国の儒教の経典である四書五経の一つ「易経」にある「觀國之光利用賓于王」
(國の光を觀る【みる】 もって王に賓たるに利し【よろし】)からきている。
これは、その地の自然や文化、産物、風俗、政治、暮らしなどの「光」をよく「観」て、
この「光」が優れている国の王に賓客となって重用されるのが良いと言うことである。
そう観光とは、自然や文化、産物、風俗、政治、暮らしなどを見てよく学び
自分の生きる糧に、または自分の生活を見直し、自分の住む自然や文化、産物、風俗、政治、
暮らしに良い影響を及ぼすために行うものなのである。
決して、観光とは訪れる先の自然や文化、産物、風俗、政治、暮らしを蔑ろにすることで
なかった。
だからこそ私達は今、本来の観光を目指すべきだなのである。
人が主軸の「マスツーリズム」でも「マンツーリズム」でもなく
自然が主体の「ネイチャーツーリズム」に。
ちなみにNature の語源はフランス語のNature(自然、存在、生命の原理;性格、本質)や
ラテン語のNatura(物事の流れ;自然な特徴、構成、質;宇宙)から来ていている。
本来の自然の姿から「光」を学んで宇宙の本質を学ぶ、それこそが旅の「本質」であり、
本来の観光なのではないかと思う。だからこそ、ハワイマコアでも皆さんに「光」を感じて
学んで帰っていただけるような「観光」を目指していきたい。
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