マウナロアの噴火について
ハワイ島好きな方はご存知かもしれないが
ハワイ島にある、世界で最も体積が大きいマウナロアの
Mokuʻāweoweo Calderaから 11月27日 23:30pm
ごろ噴火をした。そして、11/28日には
Northest Rift Zoneにマグマが流れ込み今現在はヒロと
Konaを結ぶSaddleロードおよび、
アメリカ軍事訓練地Pohakuloaに向かって流れ続けている。
今日、このブログを書くに当たって今自分自身が思うことを
正直に述べたいと思う。
そして、このブログを読んで不快だと思う方も
いるかもしれないし、
批判されていると思う方もいるかもしれない。
それを理解した上で、素直に思うことを書きたい。
溶岩の流れ、ペレがありのままであるように。
まず、溶岩が流れてハワイ島に住む人達の多くは
この歴史的かつ地質学的にもEpicと言える瞬間を
ワクワクした気持ちに似た形で受け入れている。
ハワイアンの文化的、精神的にもペレが目覚めたという
形で、そこにある一種の畏怖の念を抱いている。
また、Mauna Keaの頂上でも積雪が確認されたタイミングで
マウナロアが噴火したこともあり、ペレ(溶岩の女神)
ポリアフ(マウナケアの雪の女神)がホルア(丘のソリ)で
競い合った故事になぞらえらえ歓喜している人もいる。
その歓喜に水を刺すわけではないが、
この神話は、太古の昔、流れ出した溶岩の上に
雪が降り、溶岩を固まらせた風景を見て古代の
ハワイアン達が地質学を神話になぞらえ伝えた話である。
その神話との類似性に歓喜したのか、科学的な視点から
「ああそんな自然現象が起こるかもしれない。」
と思って歓喜しているのかは?だが、個人的な感想からは
そこまで深く考えて歓喜しているよう人が多くいるとも
思えないところが正直な感想だ。
願わくば、どうしてそのような神話ができたのか
深く考えて欲しいところではある。
また、11/28日はハワイ王国独立記念日であり
それになぞらえ、ペレが呼応したというSNSの投稿も
数多く見られたが、少し冷静になって欲しいのは
噴火活動が始まったのは11/27日である。
もちろん、偶然にしては日にちが近いし、
何かしらのエネルギーが働いている
「時」なのかもしれない。
他にはペレを神聖視するあまり、
あたかもジーザス(キリスト)が
復活したかのように、褒め称えたりする人もいる。
しかし、ペレ(溶岩)は常にマウナロアにあったし、
ペレ(溶岩)は決して死んではいない。
当然、噴火する時期や場所は
我々人間には計り知れないだろうが。
あとは、世に言うスピリチュアリストと呼ばれる人たちが
この噴火を、まさに黙示録のように扱う。
「世紀末」「世の中の変革の時」「違う次元への上昇」
「新しい世の中の始まり」
確かに、そう言われればそんな気もしてくるのが不思議な
ところである。しかし、地球は何万年もこのような活動を
繰り返してきた。その意味づけを人間が後付けで、
あれこれしているだけであるという事実がそれだ。
もし、多少なりとも科学的な形で解釈したとすると、
大きな地殻変動などの前後には
人類の歴史的にも大きな変化があるのは
自然の摂理とも言える。人類も
地球の一部であり、生物なのであるから、その地球の
変動が、多少なりとも人類の性格、思考、行動パターンに
影響及ぼすことは、生物学的に理解しやすいと思う。
ここまで長々と、マウナロアの噴火について「醒めた」
目線で話してきたが、
私自身はずっと
ハワイ島でフラをやり続けている、筋金入りの「祈り人」
であることも承知していただきたい。
そのような立場なら「マウナロアの噴火に熱狂しても
良さそうなものなのに。」、と多くの人が
思うかもしれない。
だけれど、そのような時だからこそ、「冷静にいたい」
と思うのが自分の性であり、フラで自分が培ってきた
ことでもあるように思える。
例えば、フラに置いて、ほとんどの場合、目を瞑り
祈ることはない。
目を見開き、鼻いっぱいに空気をすい、
頬に風を感じ、耳をすます。
全五感を使って、いな
全六感を使い、全方向を見て、祈る。
それは、これから起こる
こと(危険も含め)をいち早く察知し、周辺の自然環境から
瞬時に自分達の行動を判断することが、神=自然への畏怖に
繋がるためである。
祈りを通じて、神を知ろうとするならば
まず第六感より、今持ちうる五感全てを研ぎ澄ませること
の方がよほど重要だ。
現に、古代の人々は常に死と
隣あわせである。
一瞬の油断も許されない、そういう中での
祈りは、現代の形骸化された「祈り」(個人的にはフワフワ
したスピリチュアリズムと呼ぶ)とはかけ離れている。
例えば、キラウエアでも、マウナロアでも良い、
噴火している前にフラを奉納しに行ったとしよう。
まず、祈るときに目をつぶっていたら、溶岩がどこへ
飛ぶかも分からない。
急に風向きが変わって、濃い硫黄に
包まれるかもしれない。
急に地割れが起こってその間に
落ちてしまうかもしれない。
現代においてはサーモグラフィックや、気象情報などで
ある程度自前に溶岩がどこに流れるか、硫黄がどこに
飛ぶかがわかるので、安全とされる所まで行け、そこで
幸いにもペレに祈ることができる。
しかし、この時点で古代における本当の「祈り」は
失われていると言わざるおえない。
いつ死ぬかも分からない危険な状況を差し置いてでも、
祈る姿勢は、生命の危険がないところで「のほほん」と
祈る現代の我々とは到底違うものだ。
この状況はまさに、現代でいう
リアルな世界とバーチャルな世界の軋轢問題である。
SNSの誹謗中傷などが良い例だ。
リアルで面と向かって、相手を非難する時代ならば、
決闘だの、なんだのと生死がそこに携わっていた。
しかし,バーチャルの世界では、
知らない相手でも非難できる。
そこに生命の危険性は一切ない。
よって、非難する側も、される側も本気度が全く
異なる。大抵は非難される側が精神的に参ってしまうこと
の方が多いが。
しかし、そんなことを考えてしまうと、
なぜがこの世界が情けなくなるほどに虚しくなってしまう。
全てが虚構だ。
ペレに対する賛辞もとても薄っぺらいもののように
聞こえてしまう。
そもそも。マウナロアの噴火を見て
言葉で語り尽くせるほど人間は弁達にはできていない。
その言葉にならない思いをどう言葉にできるか
絞り出す、産む苦しみ。
これをしたもののみが、少しだけの
「言葉」を使うことを許されるような気がしてならない。
かくいう私も、このようにマウナロアの噴火でつまらない
文章を長々と書いている自分を反省しつつ今日のところは
終わりたい。
兎にも角にも、フラを修業する身としては
古代の人々は我々現代人よりも
非常に科学的なかつ冷静沈着な思考を
もっていて、それをいかに次世代に残すかに苦労した
かのように思えてならない。
その思いを大切に今日も生きたいと思う。
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MAKOAは、ヒロの街からハマクア(北)に向かって30分程行ったところです。