今日は僕たちが守ろうとしている、マウナケアの自然環境について説明したいと思います。
ハワイでは、山の高さによって名称が違っているのを皆さんはご存知でしょうか?
上から、wao akua, wao kele, wao nāhele, wao lāʻau, wao kanaka というように呼ばれます。
これからもう少し細かく分かれますが、今日はとりあえずこの5つの段階を追っていきたいと思います。
Waoとは、「高さ」「レヴェル」を表します。
山の一番上にあたる部分は、wao akua です。そして、akua は「神様」という意味です。
つまり、山の一番上は神様の領域という意味になっているのです。マウナケアで言えば約3000mー4000m付近の高さの部分です。
そして、次のwao kele。kele は「水」や「霧」を指しているハワイ語です。
つまりこれは山でいうと2000mー3000mあたりの雲が当たって、霧や雪、雨が降る場所のことなんです。
そして wao nāhele。nāheleは「森」という意味です。つまり森がある場所。それも厚い森です。山でいうと約1000mー2000mまでになります。
そして、wao lāʻau。 lāʻauは 「木」「葉っぱ」 「植物全般」のことを指します。つまりこれはハワイでいうジャングル的な森。熱帯雨林気候地帯の場所です。
山でいうと、約500ー1000mのことです。
そして最後のwao kanaka。kanaka とは、「人」なんですね。つまり人が住む地帯 約0mー500mまでの地域になります。
ところで、現在 TMTの建設予定地はwao akuaの領域です。皆さんちょっと想像力を働かして欲しいのですが、山の頂上辺りは、すごく広いですかね?
ちょっと山を思い浮かべたらすぐわかるのですが、頂点は当然、面積からするとごく僅かです。高度3000m-4000mの区域はほぼないです。
その限られた場所に巨大な建物があったら、とても大きな問題になることは予想できると思います。
では実際に何が問題か。TMT天文台側は、建設予定地における wiki (wēkiu bag) bag (マウナケア山頂にしか生息していない ハワイ固有のゴミムシ)
の生活環境は脅かさない何故ならwiki bagはそこに生息していないからと言っています。そして、汚水も下まで下ろすと言っています。
そうすると一見問題がないように思えると思います
。けれども、wiki bag以外の昆虫はどうなってしまうのでしょうか?
そもそも 4000m付近に生活する昆虫はそこでしか生きられないのです。
ちなみにTMT 建設予定地あたりには、蜘蛛がいます。この子たちは4000m付近にしか生息できない貴重な種類の蜘蛛なんです。
そしてもう一つ。マウナケアの山頂のTMT建設予定地あたりにははカビ菌のようなバクテリアが住んでいますが、それらも当然山頂の限られた4000m付近でないと生きられない貴重なカビ菌なんです。
ちなみにカビ菌のことを、ハワイ語では akuaというんです。そう 神様のakua と同じ名前なんです。なぜならカビ菌が、目に見えない、働きで僕たちが生きていることをハワイアンの人たちはよく知っていたからです。つまりカビ菌=神なんです。
実は wao akuaは 神様の領域という意味とカビ菌の領域であるということをかけているんです。
ちなみにこのカビ菌たち 岩の下などに生活しているんですが、太陽などにあたるとキラキラと色んな色に輝きます。当然 下に下ろせばすぐに死んでしまう菌です。
そして、そんなカビ菌たちの働きは当然大切です。僕たちには見えないバクテリアの世界の話ですが、約4000という限られた条件でしか生きえないカビ菌たちは空気の中のゴミなどを餌に生きています。つまり、一見ちっぽけに見えるカビ菌たちは、
下の動植物が生きるためにとても必要不可欠な菌であるとも言えます
科学的には確実な証明はまだ研究中なので、カビ菌の働きについてはまだまだ認められていないのですが、感覚としてでも。マウナケアの上にTMTが建設された場合、まさにこのカビ菌たちは追いやられてしまいます。
そしてその小さなバランスの崩れがいずれ大きくなるかもしれないのです。
なので、こんな観点からも、マウナケアの上に天文台がたってしまうことはどういうことなのだろうか考えていただけたらと思います。