Kanilehua:レフアの音 <ハワイの雨の名前>
「てりふり町」みなさん、これどこの町だと思いますか?
ヒントは東京です。もし、落語に詳しい方がいたらわかるかもしれません。
答えは、東京都日本橋小網町あたりのことを俗に「てりふり町」と読んだそうです。
その理由は面白いことに、その辺り周辺は江戸時代「履物屋」と「傘屋」が通りに数多く軒を連ねていたからだそうです。
「てりふり町」を漢字で書くと「照り降り町」となります。つまり、天気がよければ下駄や草履が売れて、雨が降れば傘が売れるということから、「てりふり町」となった訳です。
今の若い人たちが、なにか略してすぐ造語を作りますが、何も若い人たちだけじゃなく、日本人はどうも、こういった造語が昔から好きなようです。
ところで、ハワイ島の天気ですが去年は雨が少なかったせいか、今年は少し雨が多めになるという予想のとおり、ここ最近ちゃーんと恵みの雨が降っています。ありがたや、ありがたや。
けれども、ローカルは傘なんてささないので、傘屋は儲かりません。どちらかというと、長靴やレインコートがこちらでは人気です。
なぜなら、傘が役に立たないほどの豪雨だったり、風と雨が両方くる場合もあるので、全身すっぽりかぶるレインコートの方が無難というわけです。
でも、しっかりとしたレインコートでないとあんまり意味がありません。特にハワイ島は。
100円ショップ程度のレインコートですと、すぐ破れたり風でひらひらしてびしょびしょになります。ハイキングなどしたい方はちゃんとしたレインコートは持ってきた方がいいと思います。
ところで、ハワイのお天気に関する慣用句みたいなものがあります。
「Hiki mai ka mālie, ā hiki mai no ka ʻino」
意味は「穏やかな天気がくるのだから、嵐も来る。」です。Hikiは「来る、引く。」Maiは「入ってくる。」Mālieは「穏やかな。」’inoは「嵐」。
言外には、いつでも嵐が来ることを忘れずに、自然と一体となり、敏感になり、常に先を読み、備えて暮らせというこという意味が含まれています。
ちなみに、ハワイ語ではweather 天気という単語がありません。そのかわり、一つ一つの天気の状況や地域別に色々な名前があります。
例えば細かい軽い雨(若干、霧に近いけど霧じゃない)「Kili 」とか「Hoʻokili」とか覚えやすいですよね。日本語と同じです。
ハワイ島Hiloの雨はたくさん名前がるのですが素敵な名前としては「Kanilehua」
レフアの音という意味の名前がついています。レフアの花を落とさせるような、重いたくさんの雨ということです。
冷たい雨は「Kili Hau」,「 ua ʻawa」 などなど本当にここに乗り切れないぐらいの雨の名前があるんです。地域によっても、雨の種類によっても違うんです。
たくさん、名前がある理由は、第一にその地域、地域にあわせた、農業のためでもあるし、自然と調和することが第一義でもあるからです。
もう一つは、本来、地域ごとの雨の名前や風の名前は、秘密になっています。なぜなら、戦いのときにシャーマンが風や雨をつかって戦いを左右することがあるからです。
「風の本当の名前」、「雨の本当の名前」これは重要な情報でもあったわけです。
ちなみに、上の言葉、ジブリが好きな人ならピンときたはず。ゲド戦記の最初の方に出てくる台詞。「風の本当の名前を思い出せない」と風の司がいうのです。まさに、あんな感じです。
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